2012年09月11日
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勉強するってなんだ?

Written By: 川俣 晶連絡先

「ちょっと気になったこと」

「なんだい?」

「ネットの某所で見かけたことなのだが、支離滅裂で良く分からないが、自分なりにまとめると以下のようになる」

  • 勉強ができることへの憎悪が存在するようだ
  • 勉強すればするほど「勉強に意味は無いことが分かる」と主張される

「勉強に意味は無いってことはないだろう。人間は一生勉強だよ」

「ところが勉強に意味が消失する状況が確かに存在するのだよ」

「えっ? まさか」

「以下のような状況だ」

  • 根拠の無い自分自身に対する万能感を持つ
  • ネットに依存して、ネットを検索すると何でも分かるという信念を持つ

「つまりそれは何を意味するわけだい?」

「教科書を暗記してテストに出る意味など無いわけだ。従って、勉強にも学歴にも意味は無い。ネットを使いこなした者が強者であり、地道に教科書を暗記しようとするのは馬鹿者の振るまいということになる」

「えー」

「だから学校に行かないで家でネットに浸っている方が賢い行動という結論になる」

「それって、絶対におかしいよ」

「そうだ。おかしい」

「なぜおかしいの?」

「筋は通っているように見えるが前提が間違っているから」

  • 根拠の無い自分自身に対する万能感を持つ→万能感は子供の属性であり社会に出た時点で除去されるのが普通
  • ネットに依存して、ネットを検索すると何でも分かるという信念を持つ→実際には見つからない情報や間違った情報、読み取るのにスキルを要する情報が多い

「ひ~」

「だから、この話は裏から読まねばならない」

「どう読むの?」

「実は子供であり続けることが大前提。そこから、子供あることが正しいという理論武装が構築される。そして、子供は勉強が嫌いだ。なぜか分かるかい?」

「僕も子供の頃は勉強が嫌いだったよ。なぜそうなるのだい?」

「基礎教育だからだ。誰がやっても同じになるような面白くもないことが続く。漢字をいくつ覚えても、結局誰がやっても同じ文字の暗記にしかならない。数式を覚えても同じ」

「じゃあ、勉強が面白くなる点は存在するの?」

「そうだ」

「たとえば?」

「基礎的な素養を自分で組みたてて問題解決に使えるようになってからかな」

「どんな風に?」

「『安い安いと言っているが、有料オプション込みだとかえって高く付くじゃないか、ばかやろ~』的な計算を自分でするとき、とかね」

「わははは。それはどんな教科書にも載ってない計算だね」

「でも、教科書に書いてある基礎的な計算の素養があって初めて計算が可能になる」

「つまらない教科書の詰め込みを我慢した者だけが行ける世界ってことだね」

「どの世界も同じだけど、面白くも何ともない基礎練習の段階はあるってことだ」

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